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連盟の活動報告

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令和7年 年頭所感

次世代に、魅力ある歯科界の未来を示すために

日本歯科医師連盟  会長  太田 謙司

新年あけましておめでとうございます。
会員の皆様には、2025年の新春を新たな気持ちでお迎えのこととお慶び申し上げます。また日頃より日本歯科医師連盟に対してご理解・ご協力を賜り心より御礼申し上げます。

会長に就任してから一年半が経過しましたが、組織代表の決定、診療報酬改定、骨太方針への対応、全国各地でのデンタルミーティングの開催など、あっという間であったと感じています。

就任の際に、日本歯科医師会の制度設計に沿った直近の課題として、先ずは診療報酬改定への対応、次に物価高騰対策、そして賃上げへの対応を挙げました。財政審からマイナス改定の建議が出される厳しい状況の中、歯科においてはベースアップ評価料を合わせて+0.57%を確保することができました。もちろん、歯科医療機関が置かれている現状からすると十分とは言えませんが、歯科医療従事者の処遇改善に対しても財源が充てられたことを含めて一定の評価をしています。また、物価高騰対策に関しては、各関係省庁へ物価高騰による影響等への支援策などについて令和6年度制度・予算に関する要望書を提出した結果、全国各地で歯科医療機関への支援金等が実現しました。ただ、自治体によって金額が異なっているため、今後は国が主体になって全国一律での対応になるよう働きかけていきたいと考えています。

そして、中長期的な課題としては、優秀な歯科医師の育成について言及しました。歯科医師国家試験が選抜試験の色合いが濃くなってからは、毎年約3千人が受験し約2千人しか合格しないことなどから、歯学部への志願者が減少し定員割れを起こすケースもあり優秀な人材の参入が進み難くなっています。このような状況がすでに10年以上も続いており、2022年には歯科医師数が統計開始以来初めて減少したことから、この問題に今、取り組まなければ20年後、30年後の歯科界に明るい未来はないと考えます。歯科医師は口腔健康管理を通じて国民の健康寿命の延伸に寄与することができる尊い職業であり、それに値する物質的な豊かさをも伴う魅力ある歯科医師像を次世代に示すべく本年も力を尽くします。さらに、日歯約6万5千人と日歯連盟約5万人の間に存在する会員数1万5千人の差を埋めることと併せて日歯自体への未入会問題への対応、そして会員が安心して診療に専念できるよう指導大綱の見直しにも、日歯と連携し当たっていきます。

これらの懸案事項のどれを進めるにしても、政治的なアプローチは欠かせないと考えます。昨年は、自民党に対して国民の厳しい声が寄せられた残念な出来事がありましたが、政権を担う与党として国民の信頼を取り戻すために反省が必要であり、その反省の上に立って日歯連盟としても組織代表を国会に送り込まなければならないと考えています。昨年末までに約600カ所においてデンタルミーティングを開催してきましたが、本年も全国各地で積極的に進めていきたいと考えております。

現在、日歯と日歯連盟は毎月、合同会議を開催し緊密に連携を取っています。今後も、この連携を密にしながら法令に則り執行部が一丸となり、歯科界の明るい将来のために全力で努めてまいりますので皆様のご理解・ご協力をお願い申し上げます。

結びにあたり、本年が会員の皆様やご家族にとって幸多く、そして歯科界にとって実り多い年であることを祈念し年頭のご挨拶といたします。

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