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日歯連盟、週刊新潮の捏造記事に対し、厳しい対応!

週刊新潮2024年5月2・9日号の「MONEY」欄に「日歯連『国民皆歯科健診』導入工作で自民党議員に1億円超献金」と題する看過できない捏造記事が掲載された。これに対し日歯連盟会員の負託を受けた執行部は直ちに理事会で対応を協議し、都道府県会長会議・評議員会での意見も参考にし、新潮社に対し毅然とした態度で抗議・訂正記事掲載を求める。解決が困難な場合は、法的手段も辞さない強い対応で臨むという決意であることを皆様に報告する。
以下に経緯のみを時系列で示す。

週刊新潮記事の問題点とこれまでの経緯
 

1 週刊新潮編集部からの質問状
4月18日、週刊新潮編集部から、週刊新潮の「MONEY」欄に掲載予定の日歯連盟に関する記事について取材しているとのことで、以下のような質問事項が記載された質問状が届いた。

  • 山田 宏 議員が代表を務める自民党支部への日歯連盟の寄附が2020年から急増しているがどのような理由からか。
  • 寄附の急増は国会質問で国民皆歯科健診に関する便宜を図った見返りではないかとの指摘があるが、この指摘に関する日歯連盟の見解を聞きたい。
  • 昨年来、日歯連盟関係者に複数の種類の怪文書がまかれており、そこには、〈山田議員が家庭の事情などにより経済的に困窮し、高橋に金銭の借入を申し入れた。高橋は経済的に困窮する山田に目を付け、連盟の子飼いの議員として、歯科医師の資格のない日歯連盟の組織内候補として作り上げた〉との記述があり、また、日歯連盟関係者への取材で「山田議員が経済的に困窮しているのは、父上が要介護状態となり横浜にいるから」と聞いているが、これらの事実関係について説明いただきたい。

4月19日、日歯連盟執行部は週刊新潮編集部に対して回答書を提出した。回答書において、日歯連盟執行部は、2020年10月に候補者選考手続きを経て山田議員が日歯連盟の組織内候補予定者に選考されたことから、日歯連盟所定の金額を山田議員が代表を務める自民党支部に寄附していること、質問状に記載された怪文書がまかれている事実は把握していないこと、山田議員の父親は2019年に他界しており、質問状記載の「怪文書」や「日歯連盟関係者の供述」は客観的事実に反することを指摘するとともに、無責任な文書や裏付けを欠く情報に踊らされることのないように釘を刺した。

2 週刊新潮に捏造記事が掲載
週刊新潮(2024年5月2・9日号)の「MONEY」欄に「日歯連『国民皆歯科健診』導入工作で自民党議員に1億円超献金」と題する記事が掲載された。
本件記事は、「18年からの5年間で、山田(宏)議員は(日歯連盟から)つごう1億円以上を手にしている」と指摘したうえで、日歯連盟元執行部メンバーの発言として「高橋会長時代の日歯連盟は、“国民皆歯科健診”の導入に向けた政界工作に着手しました」と記載し、「税金で賄われる国民皆歯科健診。寄付という現ナマで、歯科医が恩恵を被る政策を買ったようなもの」と評した。
さらに、本件記事は、「告発文書が出回った」と指摘したうえで、日歯連盟元執行部メンバーの「告発文書」に関する発言として「山田議員に対する贈賄事件への発展を怖れ、日歯連盟の執行部が証拠隠滅、口裏合わせに躍起になっている」、「国民皆歯科健診実現のため、山田議員に賄賂性のある資金を提供している」と記載していた。
週刊新潮編集部に回答したとおり、日歯連盟は、日歯連盟所定の金額を組織内候補となった山田議員側に寄附してきたのであって、“国民皆歯科健診”の導入に向けた政界工作に着手した事実もなければ、賄賂性もない。もちろん、日歯連盟執行部が山田議員に対する贈賄事件への発展を危惧したこともなければ、証拠隠滅や口裏合わせをしたこともない。
そして、高橋英登前会長が「生涯を通じた切れ目のない歯科健診が骨太の方針に載ったが、これは我々のためではない。国民のために歯科医療を充実させるためにこの方針が立ち上がったのである。健診制度が充実してくると、全ての国民が年に1回歯科医療機関に行って健診を受ける。結果的にそれは国民に資することであり、なおかつ、皆保険制度を維持することに資することに間違いない」(第143回評議員会冒頭挨拶)と述べているように、日歯連盟は、高橋前会長時代から今日に至るまで、歯科界の利益のためでなく国民の健康のために国民皆歯科健診実現に向けて活動してきた。「税金で賄われる国民皆歯科健診。寄付という現ナマで、歯科医が恩恵を被る政策を買ったようなもの」、「国民皆歯科健診実現のため、山田議員に賄賂性のある資金を提供している」という本件記事の内容は、悪意に満ちた捏造であり、国民の健康のために国民皆歯科健診実現に向けて活動している全ての日歯連盟会員の思いを踏みにじる許しがたいものであった。

3 週刊新潮に対する抗議と週刊新潮の欺瞞に満ちた回答
以上のとおり、本件記事は、国民医療のために歯科界が長年進めてきた「国民皆歯科健診」を、「賄賂」、「導入工作」などのキーワードで胡散臭いものと印象付けようとする悪意のある捏造記事であり、国民医療の進展に資するという目的で活動してきた歯科医の矜持を踏みにじるものとして、到底看過できるものではなかった。そこで、日歯連盟は、5月9日付内容証明郵便で、新潮社に対し、週刊新潮最新号にて本件記事の訂正と謝罪文を掲載するとともに、ウェブサイト「デイリー新潮」に掲載されている本件記事の削除を求めた。
5月14日、週刊新潮編集部から、以下のような回答が記載された回答書が届いた。

① 日歯連盟元執行部メンバーから、山田議員側への日歯連盟の寄附が2020年から急増しているのは、国会質問で国民皆歯科健診に関する便宜を図った見返りであるとの指摘があった。そのため、4月18日の質問状において、山田議員側への寄付の増額は国会質問への見返りではないかとの質問を記載した。しかし、本件記事では、国会質問への見返りとは記載していない。
② 本件記事は日歯連盟元執行部メンバーの告発文書等に関する発言をそのまま記載したものであるから、(発言内容が虚偽であっても)虚偽の事実を摘示したわけではない。
③ 以上より、日歯連盟の要求には応じない。

上記①によれば、週刊新潮編集部は、「日歯連盟元執行部メンバー」の供述のみを頼りに、「山田議員への寄附の増額は国会質問への見返り」、「“国民皆歯科健診”に向けた政界工作に着手」、「山田議員に賄賂性のある資金を提供」という記事を掲載しようとしていたが、4月19日の日歯連盟の回答により、山田議員側への寄附の増額が組織内候補になったことに起因するものであることが分かったことから、「山田議員への寄附の増額は国会質問への見返り」という部分については記事にしなかったということである。つまり、週刊新潮編集部は、本件記事を掲載する以前に、「山田議員への寄附の増額は国会質問への見返り」という「日歯連盟元執行部メンバー」の供述が虚偽であることを認識したのである。したがって、この段階で、週刊新潮編集部は、「日歯連盟元執行部メンバー」の供述に信用性がないことを認識していたということである。それにもかかわらず、週刊新潮編集部は、信用性のない「日歯連盟元執行部メンバー」の供述のみを頼りに、「“国民皆歯科健診”に向けた政界工作に着手」、「山田議員に賄賂性のある資金を提供」と記載した本件記事を掲載したのである。これは、取材を尽くすという報道機関としての責任を放棄したものであり、極めて悪質である。
また、上記②の主張は、日歯連盟元執行部メンバーの告発文書等に関する発言の内容が虚偽であっても、発言内容をそのまま紹介したという点では事実に相違ないから虚偽の事実を摘示したものではないというものであるが、第三者からの伝聞の体裁をとっている記事についても名誉毀損は成立しうるから、無責任な議論のすり替えと言わざるを得ないものであった。

4 都道府県歯科医師連盟会長会議での協議
5月23日、都道府県歯科医師連盟会長会議において、日歯連盟執行部から、本件記事が掲載されたことにより、日歯の事業において、協賛・後援・参加の辞退やシンポジウムの延期という形で実害が発生していることを報告した。続けて、本件記事に関する週刊新潮への対応について協議いただいた。
国民皆歯科健診は国民が恩恵を受ける制度であるから、本件記事のうち「(国民皆歯科健診は)歯科医が恩恵を被る政策」という部分は撤回を強く求めるべきであり、日歯連盟にはこの点を社会にしっかりと訴えてほしいとの意見をいただいた。

5 週刊新潮に対する更なる抗議
5月29日、日歯連盟執行部は、週刊新潮編集部デスクと面談し、「日歯連盟元執行部メンバー」の供述の信用性に疑いがあったにもかかわらず、慎重な裏付け取材をすることなく本件記事を掲載したことについては、真実相当性(※)が認められないという問題点を指摘するとともに、改めて、週刊新潮最新号にて本件記事の訂正と謝罪文の掲載及びウェブサイト「デイリー新潮」に掲載されている本件記事の削除を求めた。
面談から2週間を経過しても新潮社から回答がなかったため、6月13日、日歯連盟は、週刊新潮編集部に対し、再度、書面で、週刊新潮最新号にて本件記事の訂正と謝罪文を掲載するとともに、ウェブサイト「デイリー新潮」に掲載されている本件記事の削除を求めた。
翌6月14日、週刊新潮編集部から回答書が届いた。週刊新潮編集部の回答は、具体的な根拠を示すことなく、相当性に欠ける点はないとして、日歯連盟の要求には応じられないというものであった。

※掲載者が掲載内容を「真実だと誤信」し、その誤信が「確実な資料・根拠」に基づくものだと認められる場合をいう。名誉毀損において違法性が阻却されるための要件の一つ。

6 第152回評議員会での協議
6月27日、第152回評議員会において、本件記事に関する週刊新潮への対応について協議いただいた。
A評議員からは、地元の理事会でこの問題を協議した際には、日歯連盟が提出した週刊新潮に対する抗議文の内容については、日歯連盟広報を通じて会員に周知すべきであるという意見が大多数であったとの報告があった。
B評議員からは、本件記事は全く法的に問題のない事実を強い悪意を持って印象操作をしているものであるとの意見をいただいた。
C評議員からは、山田議員、比嘉議員にも尽力いただいている国民皆歯科健診は国民の健康を守るためにやっているものであって、歯科医に患者を誘導するためのものではない、我々歯科医の名誉のためにも日歯連盟にはしっかりと抗議していただきたいとの意見をいただいた。
D評議員からは、週刊新潮に対して毅然とした対応を取るべきであるが、何よりも、山田議員側に対する政治資金の寄附が正当な政治活動であることをしっかりと広報し、日歯連盟が一丸となって前進する契機にしていただきたいとの意見をいただいた。

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